空調設備のない屋外での作業は暑さとの闘い!とても体力を消費します。長時間の作業は熱中症となる危険もありますよね。
熱中症の怖さは毎年ニュースでも多く取り上げられてるので皆さんご存知かと思いますが、最悪の場合は死に至る事もありますので対策が必要です。
そこでご紹介するアイテムが屋外活動でも涼しく活動できる暑さ・熱中症対策のアイテム「空調服」です。
今回この涼しいアイテム「空調服」を実際に着る機会がありましたのでレビューも含めてご紹介したいと思います。
涼しいアイテム空調服とは?
簡単に説明すると小さな扇風機が付いた服です。最近街中でも空調服着てる方を見かけるようになったのでご存じの方もいるかもしれませんね。
下の写真は実際に空調服を着用したもので、1枚目は外観、2枚目は服の中です。
写真で着用してるのは、「メーカー:バートル・エアークラフトのパーカーベストAC1026」です。
ベストタイプの物で他に半袖・長袖があります。見た目はモコモコしてダウンベストのような感じなので真夏に来てるのを見たら「ダイエット中?」と思うかもしれませんね。(写真の人が太っててこんなにモコモコしてる訳ではありません。お腹は出てましたが・・・)
ベストの中は下の写真のようになってます。
動作させると後ろのファンから外気を取り込んでベストの中に風を送り込みます。
服に2つのファン(小型扇風機)が付いてる、それが「空調服」の特徴です。
(最近では4つのファンが付いてる空調服もあるようです)
- 服
- ファン
- バッテリー
- ケーブル
この4点で構成されています。
着心地
動きやすさ
私が試着した「バートル・エアークラフトのパーカーベスト」は、ファンのカバー部が内側に出てるので邪魔になりそうですが、ファンが回りだすとベストの内側に外気が入り込み膨らみつつ身体から離れる為全く気になりませんでした。
見た目はモコモコした感じで身動きとりずらいのでは?と思っていましたが、風でモコモコしてるだけなので動きずらさも感じませんでした。
狭い場所では突起物などに引っかかる可能性はありますね。
重さ
重さについてですが冬に着るダウンベストなどは大体200~300g、やはりファンとバッテリーの分の重みは感じました。ですがファンとバッテリーを合わせても500g程度なので重いと感じることはありませんでした。
ファンの風力
一番肝心な風の強さ!4段階あるのですが最大にすると一般家庭にある扇風機の「中」~「強」くらいの風力があります。
ファンから取り込んだ外気はフードの根本部分にある「調整式エアダクト」という開口部へ排出される仕組みとなっている為、常に後頭部が冷やされ「熱中症対策」になります。
音
空調服の説明を受けている時に「風力MAX」で聞いていましたが、会話に差し支えることはありませんでした。
ですが無音ではないのでこの服のデメリットとなりますが、外で使う分には全く気にならないと思います。
使い方
ファンその他の取り付け方法
まずは各パーツを取付け及び接続していきます。取付方法については下の動画をご覧ください。
引用元:youtube
注)メーカーによって取付方法が異なります。
操作方法
操作方法はとても簡単!バッテリーの電源ボタンで一つですべての操作が可能です。
風力(電圧)は4段階「5V~最大10V」に切替えることができます。
バッテリー残量も5段階表記、一目で残量確認できます。
(写真はバートル リチウムイオンバッテリー AC210という商品です)
電源ボタン長押しでON(ON時は5V)、電源ボタンを押す度に「電圧」、「風力」が上がっていきます。
電源ボタン | 表示 | 風力 |
長押しで起動 | 5V 赤点灯 |
弱 |
2回目 | 7V 赤点灯 |
中 |
3回目 | 9V 赤点灯 |
強 |
4回目 | 10V 赤点灯 |
最大 |
5回目 | 消灯 | 消灯 |
10V電圧は1時間の使用で自動的に9Vに切り替わるようになっています。
バッテリーの充電時間と稼働時間
充電時間は7時間となっており、各電圧の稼働時間は下記の通りです。
電圧 | 稼働時間 |
5V | 約30時間 |
7V | 約11時間 |
9V | 約7時間 |
10V | 1時間後9Vに自動で切り替わり その後約5時間 |
着用効果
空調服を着用する事でどんな効果があるのか?
体を常に最適な温度に保てる
人の身体は「皮膚」からの情報で暑いと感じたら「脳」は身体の冷却に必要な水分(汗)を出します。汗は蒸発すると身体の表面の熱を奪って身体を冷やしてくれます。この体の機能を「生理クーラー」と言います。
そして空調服は電動ファンが生み出した風で効率的に汗を蒸発させ、身体を最適な温度に保つことができるのです。
作業効率アップ
暑い日の屋外作業は水分補給と身体を休める為に休憩が頻繁に必要なんですよね。
空調服は「生理クーラー」を利用することで無駄な汗をかかず体力の消耗も抑えらる為、頻繁な休憩も必要なくなり作業効率アップになります。
空調服の選び方
生地を選ぶ
空調服には「ポリエステル」「綿」「ポリエステル+綿」の生地があり作業用途に合わせて適した生地を選ぶ必要があります。
・ポリエステル100%
撥水性があり素材が高密度なので空気が漏れにくく空調服の中で一番涼しさを感じる素材になります。洗濯してもシワになりずらく他の素材に比べて安価になるようです。
硬いものや火の粉が接触しそうな作業では穴が開いてしまうので向きません。
(これを着て花火はしない方がいいです)
・綿100%
着心地がよく汗の吸収・発散に優れ嫌な臭いが付きにくい素材ですが、洗濯するとシワになりやすく縮みやすいようです。なので選ぶ際は洗濯縮みを考慮して1サイズ大きめにしましょう。値段はポリエステルと比べ多少高くなります。
多少の火の粉なら対応できるようです。
・ポリエステル+綿
ポリエステル、綿の両方のメリットを持っていますがポリエステルが入ってるので火の粉には弱い(穴が開いてしまう)ようです。
洗い替え
空調服を着たからと言って全く汗をかかない訳ではありません「生理クーラー」の原理を利用して涼しさを感じる物なので洗い替えは用意しておくことをオススメします。
洗い替えも同じメーカーで同じサイズの物であれば、本体の服だけ取り換えることでファンとバッテリーはそのまま使用できます。洗い替えに違うデザインを選択しても良いかもしれませんね。
サイズ選び
サイズは男女兼用のユニセックスモデルとなってます。
種類によってSS~6Lまであるので選ぶ際は1サイズ上を選ぶ方がいいようですが、今あなたが普段着ているサイズでも空調服は大きめに作られているので全く問題ないです。
下記のサイズ表はバートルのベストタイプです。
サイズ | S | M | L | LL | 3L | 4L | 5L |
バスト | 112 | 115 | 120 | 124 | 128 | 134 | 140 |
肩幅 | 43 | 46 | 47 | 49 | 51 | 53 | 55 |
着丈 | 64 | 66 | 68 | 70 | 72 | 73 | 74 |
(単位はcmです)
例えば、ネット購入で私の夫にプレゼントする場合
バスト | 肩幅 | 着丈 | 適合サイズは? |
105cm | 45 | 68 | L |
メタボなのでお腹周りが心配になるところですがLサイズを購入して問題ありません。
実際に近くの作業服屋さんやホームセンターに行って、いろんなサイズ選びを夫で試してみました。(女性用が全く置いてないので!)長袖、半袖、ベストタイプの全種類を試着してもらいましたが、やはりLサイズが一番ちょうどいいという事でした。
なので、サイズ選びは普段着ている服がLサイズであれば空調服もLサイズで問題ないという事です。
女性用がなかったので試しに私も男性用のLを試着してみましたがやはり私には大きくダボダボで袖、腰、お腹、首の辺りから取り込んだ空気が抜けていく感じでした・・・(下の写真)
写真はダメな着用の仕方なので真似しないでくださいね!
残念ながら私の思い当たる作業服屋さん、ホームセンターなど空調服を置いてそうな所を全て行ってみましたが(計6店舗)バートルだけはどこにも置いてませんでした。
※私の地域に作業服屋は4~6店舗ほどありますが、どこの作業服屋さんも今期「バートル」の入荷は困難なので確実に手に入れたいのであればネット購入がいいと進められました。
空調服をより効果的に利用するアイテム
・冷感インナー
汗を吸って気化熱を奪ってくれるので「空調服」の効果アップ。冷感機能もあるので着てるだけでも涼しいインナーです。
・冷感スプレー
涼しさを感じたい所の衣服にスプレーするだけで涼しくなります。「冷感インナー」と併用することでさらに「空調服」の効果がアップします。
付属品
現場作業される方は必ず粉塵・ホコリ等の舞っている場所があると思うのでフィルターは必要ですね。
粉塵・ホコリ等はファンを汚すだけでなく、空調服内部にも入ってくるので着ている中の服まで汚れてしまいます。
・アンカー打設やハツリ作業によるコンクリートのカスが舞っているような作業場所
・溶接作業やサンダー等での切断作業場所
上記の現場作業では作業終了後、ファンのメンテナンス(掃除)も大変楽になるのではないでしょうか?
まとめ
私の感想ですがはっきり言って・・・かなり涼しいアイテムです!
しかしなぜ涼しくなるのか?ちゃんと理解していないと、あれ?そんなに涼しくないじゃん!という事になります。なのでしっかり生理クーラーの原理を理解する必要があります。
この空調服は屋外で現場作業されてる方、バイクでのツーリング、アウトドアなど様々なシーンでお役立ちできるアイテムなのでプレゼントとしても喜ばれると思います。
(私の父はクーラー苦手なので、父の日はこの空調服をプレゼントしてみようかな?と思ってます。)
近年では建設現場で熱中症対策に「空調服を着ていないと入場できない」という現場もあるようで、現場で働く方の必須アイテムにもなっているようです。
最後に空調服を活用する際注意しておかないといけないのが、ファンの吸気口を塞ぐような服を着ることができません。
ボランティアに行ったことがある方はご存知かと思いますが、殆どのボランティアグループでゼッケンを配布されますよね。
メッシュタイプであれば問題ありませんがそれ以外の物であれば吸気口を塞がないように着用するか、違うタイプのゼッケンに変えてもらうようにしましょう。
震災などの被災地の方を支えてくれるボランティアの方々には、熱中症にならないようそして作業を効率よく行えるように「空調服」を是非活用してご活躍していただきたいと思います。
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